主任技術者または監理技術者の配置および指導に関する義務等
福岡市で建設業許可申請を主にやっている行政書士陽光事務所の行政書士高松が意訳解説する建設業法
(個人的な解釈であり、参考程度にご覧いただければ幸いです。)
条文
第二十六条の三 主任技術者及び監理技術者は、工事現場における建設工事を適正に実施するため、当該建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理及び当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督の職務を誠実に行わなければならない。
2 工事現場における建設工事の施工に従事する者は、主任技術者又は監理技術者がその職務として行う指導に従わなければならない。
意訳解説
第一項 主任技術者または監理技術者は、工事現場において、施工管理を総合的に行うために必要な計画作成、知識、品質管理等の知識を有する者が、誠実に職務を行うよう求められる。
第二項 工事現場で働く人は、主任技術者または監理技術者の指導に従う義務がある。
この条文の内容は、建設業法第七条第二項イ・ロ・ハに該当する専任技術者(専技)になる資格に準ずる知識や技術等を有する者が、主任技術者または監理技術者として、工事現場に常駐し、適正な現場の施工に関する技術的指導等を行うように要求しています。
そして、現場で働く人にも、主任技術者または監理技術者の指導に従うよう要求しています。
ここで、関連する話題として、営業所の専技と現場の主任技術者の話も書きます。
通常、専技は、営業所に常駐して複数の現場を管理することを想定しています。
しかし、現実的には、専技の資格を有する者が複数名おらず、専技が現場に出て施工を行うような中小企業の実態とそぐわない部分もありますが、これに関しては、技術者が現場に専任する必要のある工事、例えば建設業法施行令第二十七条に書いてある「3000万円以上(建築一式工事は7000万円以上)」のような工事や他府県に出張するなどの、すぐに営業所に戻ることが難しいとき以外は、問題になることはあまりありません。
(各自治体によっては、営業所から2km以内しか認めないなどの制限がありますので、管轄の建築指導課等にご確認ください)
重要なのは、主任技術者は、専技になれる資格を有する者しかできないということです。
(監理技術者になるには、法定の講習等を受講(受講資格は、一定の資格・経験等の要件を満たさなければいけない)する必要があるため、専技の要件を満たしていると仮定しています。)
決算変更届などの工事経歴書や施工体制図等の技術者として、配置する際は、十分に配慮した対応が求められます。
参考条文
第二十七条 法第二十六条第三項の政令で定める重要な建設工事は、次の各号のいずれかに該当する建設工事で工事一件の請負代金の額が三千五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、七千万円)以上のものとする。
一 国又は地方公共団体が注文者である施設又は工作物に関する建設工事
二 第十五条第一号及び第三号に掲げる施設又は工作物に関する建設工事
三 次に掲げる施設又は工作物に関する建設工事
イ 石油パイプライン事業法(昭和四十七年法律第百五号)第五条第二項第二号に規定する事業用施設
ロ 電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第五号に規定する電気通信事業者(同法第九条第一号に規定する電気通信回線設備を設置するものに限る。)が同条第四号に規定する電気通信事業の用に供する施設
ハ 放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第二条第二十三号に規定する基幹放送事業者又は同条第二十四号に規定する基幹放送局提供事業者が同条第一号に規定する放送の用に供する施設(鉄骨造又は鉄筋コンクリート造の塔その他これに類する施設に限る。)
ニ 学校
ホ 図書館、美術館、博物館又は展示場
ヘ 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第二条第一項に規定する社会福祉事業の用に供する施設
ト 病院又は診療所
チ 火葬場、と畜場又は廃棄物処理施設
リ 熱供給事業法(昭和四十七年法律第八十八号)第二条第四項に規定する熱供給施設
ヌ 集会場又は公会堂
ル 市場又は百貨店
ヲ 事務所
ワ ホテル又は旅館
カ 共同住宅、寄宿舎又は下宿
ヨ 公衆浴場
タ 興行場又はダンスホール
レ 神社、寺院又は教会
ソ 工場、ドック又は倉庫
ツ 展望塔2 前項に規定する建設工事のうち密接な関係のある二以上の建設工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した場所において施工するものについては、同一の専任の主任技術者がこれらの建設工事を管理することができる。
参考文献等
建設業法
建設業法施行令
建設業法施行規則
建設業法遵守ガイドライン
建設工事標準下請契約約款
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- 建設業の許可(建設業法第3条)
- 大臣または知事が建設業許可に条件を付けるとき(建設業法第3条の2)
- 建設業の附帯工事(建設業法第4条)
- 許可の申請(建設業法第5条)
- 許可申請の添付書類(建設業法第6条)
- 建設業許可の基準(建設業法第7条)
- 欠格要件(建設業法第8条)
- 許可換えの場合における従前の許可の効力(建設業法第9条)
- 登録免許税及び許可手数料(建設業法第10条)
- 変更等の届出(建設業法第11条)
- 廃業の届出(建設業法第12条)
- 国土交通省令への委任(建設業法第14条)
- 特定建設業の許可の基準(建設業法第15条)
- 下請契約の締結の制限(建設業法第16条)
- 準用規定(建設業法第17条)
- 建設工事の請負契約の原則(建設業法第18条)
- 建設工事の請負契約の内容(建設業法第19条)
- 現場代理人の選任に関する事項(建設業法第19条の2)
- 不当な使用資材等の購入強制の禁止(建設業法第19条の4)
- 発注者に対する勧告(建設業法第19条の5)
- 建設工事の見積り等(建設業法第20条)
- 契約の保証(建設業法第21条)
- 一括下請負の禁止(建設業法第22条)
- 主任技術者及び監理技術者の設置等(建設業法第26条)
- 主任技術者及び監理技術者の設置等(建設業法第26条の2)
- 主任技術者及び監理技術者の設置等(建設業法第26条の3)
- 経営事項審査(建設業法第27条の23)
- 経営事項審査(建設業法第28条)
- 許可の取消し(建設業法第29条)
- 行方不明事業者の許可の取消し(建設業法第29条の2)
- 許可の取消し等の場合における建設工事の措置(建設業法第29条の3)
- 営業の禁止(建設業法第29条の4)
- 監督処分の公告等(建設業法第29条の5)
- 不正事実の申告(建設業法第30条)
- 報告及び検査(建設業法第31条)
- 参考人の意見聴取(建設業法第32条)
- 標識の掲示(建設業法第40条)
- 表示の制限(建設業法第40条の2)
- 帳簿の備付け等(建設業法第40条の3)
- 建設業の許可に関する罰則(建設業法第47条)
- 許可の申請や報告等に関する罰則(建設業法第50条)
- 建設業の許可に関する罰則(建設業法第52条)
- 建設業法違反の両罰規定(建設業法第53条)